研削砥石の基礎知識

研削砥石の構成

研削砥石は砥粒、結合剤、気孔も三要素で構成されます。これら三要素は更に五因子に分けられ、砥石の性質を示すものとして仕様に記載されています。

三要素

  • 砥 粒 加工物を削るための切れ刃
  • 結合剤 切れ刃を保持するホルダーの役目
  • 気 孔 切りくずを排出するチップポケット

五因子

  • 砥 粒 砥粒の種類
  • 粒 度 砥粒の大きさ
  • 結合度 砥石の硬さ
  • 組 織 砥石体積の内、砥粒が占める割合
  • 結合剤種 結合剤の種類

研削砥石仕様の表示方法 (JIS)

研削砥石の形状記号およびその呼び方(JIS R6242) [ ↑使用面 ]

1号 平形 2号 リング形 T≧W 3号 片テーパ形
4号 両テーパ形 5号 片へこみ形 6号 ストレートカップ形

P≧フランジ径 X 1.02+4

E≧T/2

E≧T/4 W≦E

7号 両へこみ形 9号 ダブルカップ形 11号 テーパカップ形
P≧フランジ径 X 1.02+4 E≧T/2

E≧T/4

K≧フランジ径+2R

E≧T/4 W≦T

12号 皿形 13号 のこ皿形 20号 片逃げ形

K≧フランジ径+2R

E≧T/2

K≧フランジ径+2R

U=E R≧U/2

K≧フランジ径+2R

E≧T/2

21号 両逃げ形 22号 片逃げ片へこみ形 23号 片へこみ逃げ形

K≧フランジ径+2R

E≧T/2

P≧フランジ径 X 1.02+4

E≧T/2

P≧フランジ径 X 1.02+4

E≧T/2

24号 片逃げ両へこみ形 25号 両逃げ片へこみ形 26号 両逃げ両へこみ形

P≧フランジ径 X 1.02+4

E≧T/2

P≧フランジ径 X 1.02+4

E≧T/2

P≧フランジ径 X 1.02+4

E≧T/2

27号 オフセット形 28号 オフセット形 31号 セグメント形
35号 ディスク形 36号 ナット付ディスク形 37号 ナット付リング形

接着又は機械的に取り付け

38号 片ドビテール形 39号 両ドビテール形 41号 平形切断といし
42号 オフセット形切断といし 52号 軸付といし 54号 ホーニングといし
90号 手研ぎといし

研削砥石の標準縁型形状

A B C D E F G H
I J K L M N P
※上記に当てはまらない場合は「Z」とする

研削砥石を安全にお使いいただくために

取扱いの三原則

  1. ころがすな
  2. 落すな
  3. ぶつけるな

保管上の注意

  1. 衝撃は禁物
  2. 過度の積み上げは危険

使用方法の遵守

  1. 決められた面以外は使用しない。
  2. 最高使用周速度以下で使用する。
  3. フランジは適正なものを使用する。
  4. 研削作業開始の前に、1分以上の空転を行うこと。
    砥石交換の直後は、 3分以上の空転を行うこと。

打音検査の方法

  • 検査は、木製ハンマー等を使用する
  • 打音点は上の通り。(出来れば全周)
  • 打音は必要最低限度の力で行う

超砥粒ホイールの基礎知識

超砥粒ホイールの形状記号表記 (JIS-B4131)

超砥粒ホイールの形状記号は次の4つの記号で構成されます。

  • 台金の基本形状
  • 砥粒層の断面形状
  • 砥粒層の位置
  • 台金のモディフィケーション

基本的な台金形状とその数字記号

1 9
3 11
3 12
4 14
6 15

砥粒層の断面及びそのアルファベット文字記号

A D FF L QQ
AH DD G LL S
B E H M U
C EE J P V
CH F K Q Y

砥粒層の位置とその数字記号

  数字 位置   数字 位置
1 外周 2 側面
3 両側面 4 内側に傾斜又は
丸みをもつもの
5 外側に傾斜又は
丸みをもつもの
6 外周の一部
7 側面の一部 8 全体
9 角部 10 内周部

追加修正加工とそのアルファベット記号

  アルファベット文字記号 加工内容   アルファベット文字記号 加工内容
B 段付き穴 C 皿穴
H ストレートな穴 M ストレートな穴とねじ穴
P 片側の逃げ R 両側の逃げ
S セグメント形状 SS スロット付き
セグメント形状
T ねじ穴 Q 砥粒層の挿入
V 逆向き砥粒層 Y 砥粒層逆向き挿入